シチリア州
ヴィンチ
the cellar
ヴィンチは現在も、このワイナリーを始めた3つのオリジナル・ファミリーによって運営されており、カルーソ氏はCEO、アラ-ニャ氏はマーケティングとセールスの責任者、アンジレリ氏は醸造家であり、パスクアーレ・パピ-ロ氏がサポートしています。彼らの農業哲学は、この地域の乾燥した日当たりの良い気候に支えられ、ブドウを病気から守るために硫黄や銅などの天然物を使用することです。また、植物に栄養を与えるために、堆肥を使った有機肥料を使用しています。
Story
1800年代初頭に誕生したワイナリーですが、正確にはアラーニャ、カルーソ、アンジレリという3つのファミリーからなる3つのワイナリーです。この3つのファミリーは、マルサ-ラとその周辺に美しいブドウ畑を所有していました。当時、イギリスの商人であるウッドハウス、ウィテカー、インガムのおかげでマルサラ・ワインが生産され、イギリスに大量に販売されていました。英国の商人は、マルサ-ラ周辺の地域がポルトガル(ポルトとマデイラ)やスペイン(シェリー)のような高品質の酒精強化ワインを生産する大きな可能性を秘めていることを理解していました。マルサラの町に住む3ファミリーは、アルコールで強化されたマルサラ・ワインを製造し、貨物船を使ってイギリスに輸送するビジネスを始め、成長していきました。この3ファミリーは何度か結婚を通して親戚になっていましたが、シチリアでは珍しく1970年に事業をまとめて農業協同組合を設立しました。しかし、まだ3つの個性的なワイナリーであったため、ビジネスを進めて行く上では最適ではありませんでした。よって1996年、彼らは最後のステップとして農協を閉鎖し、マルサ-ラの町の中心にある大きなワイナリー、ヴィンチ・ワイナリーを買収しました。新会社は「カンティーネ・ヴィンチ」というブランド名で設立され、これが現在のビジネス名となっています。
The Estate
マルサラの町(西シチリア、トラーパニ県)周辺の海辺から標高450mの丘陵地まで、約100ヘクタールのブドウ畑が広がっています。土壌は場所によって組成が異なり、その特徴を踏まえて最適な品種のブドウを植えています。約100ヘクタールのうち、約60%がネロ・ダ-ヴォラ、シラー、メルロー、ペッリコーネなどの赤ワイン用に栽培され、残りはグリッロ、カタラット、ズィビッボなどの白ワイン用に栽培されています。後者の品種については、ヴィンチは小さなパンテッレリーア島以外のシチリア本土で最初に植えたことを誇りにしています。
The Cellar
このワイナリーでは、7種類のテーブルワイン(呼称あり/なし)、6種類のデザートワイン、3種類のアロマワイン(イタリア国内外で高い評価を得ています)、5種類のカソリック・ミサ用ワイン、数種類のマルサ-ラ・ドルチェとマルサ-ラ・ヴェルジネ(主に食品業界向けに販売されています)を生産しています。その中から、ボッテ-ガヴィーニは日本のワイン愛好家のために5つのワインを選びました。フルーティーで香り高いズィビッボ・セッコ(カリカント)、濃厚でフルボディのネロ・ダーヴォラ(リ-トス)、香り高く酔いやすいズィビッボ・ドルチェ(ヴィッラ・モレスカ・ズィビッボ)、そして代表的なマルサラ・ワインとして、ジュゼッペ・ガリバルディ(二つの世界の英雄)が最も好んだとされる甘口で人気の高いマルサ-ラ・ガリバルディと、ソレラス方式で製造された洗練されたマルサ-ラ・ヴェルジネの2種類を選びました。